「~することができた」といいたい時、何でもかんでもcanの過去形であるcouldを使えばOK!でしょうか?
結論から言うと、違います!
canが「~することができる」だから、「~することができた」を全てcouldで処理…ではダメなんです。
そう単純・簡単ではありません(笑)
couldは勘違いされ続けている助動詞の一つです。
ここでハッキリとさせましょう!
couldはcanの過去にあらず?
まず、次の日本語を英語にしてみてください。
「試験受かったよ!」
気持ちとしては「受ける前はダメかと思っていたけど、受かることができた!」というニュアンスです。
ex) I could pass the exam!
はい、英文としてはパーフェクトです。
しかし!
通常、これを聞いたネイティブは「試験受かったよ!」という意味では理解してくれません。
えっ!?
「過去において~することができた」といいたいときは、「~することができた」を表すcanの過去形であるcouldでいいのでは?????
とお思いの方が多いと思います。
キーワードは「一般/能力」と「個別/達成」
「(過去において)~することができた」という意味でcouldが使えるのは、”過去においての一般的な能力を表す時”のみです。
????
なんのこっちゃ!?ですよね(笑)
具体的に次の英文を見てください。
ex) By the time he was nine, he could read Latin.
意味としては「9歳になるまでに、彼はラテン語が読めた」ですね。
はい、「(過去において)~することができた」なのでcanの過去形であるcouldを使っている…
それで片づけてはいけません!
この文章は正しく”過去においての一般的な能力”を表してませんか?
9歳になるまで、ラテン語が読める能力があった…という、彼の能力を言う意味合いですよね。
つまり、彼は過去に、「ラテン語が読める」という”能力”があったということ。
このような場合はcouldを使っても問題ありません。
では、冒頭の「試験に受かったよ!」に戻ります。
ex) I could pass the exam!
これは”過去においての一般的な能力”でしょうか?
いえ、違いますよね。
この文章は、過去のある特定の時点・出来事において個別の何かをすることができた、達成できた、という文章です。
つまり、”一般的な能力”の話ではなく”個別の出来事の達成”ですよね。
このようなケースにおいて「~することができた」といいたいとき、通常ネイティブはcouldを使いません。
まとめると、canの過去形だからということで、何でもかんでもcouldを使えばいい…という話ではないのです。
(couldを使った上の文章は、英文としては間違いのない文章ですが、別の意味になります…それはまた別の機会で)
ここでbe able to doの出番です!
じゅあ、冒頭の「試験受かったよ!」といいたいときはどうするの?
…という疑問が。
そこで出てくるのが”be able to”ですね。
”個別の出来事の達成”を表す先ほどの文章は次のように言えば「試験に受かったよ!」という意味として理解してもらえます。
ex) I was able to pass the exam!
これでOKです。
日本語ではどちらも「~することができた」と言うので、その微妙なニュアンスが分かりませんが、英語ではcouldとbe able to doを使って言い分けるのですね!
ちなみに、be able to doは 「一般 / 能力」でも「個別 / 達成」 でも、どちらにも使えますので、迷ったらbe able to do!という手もありです。
整理すると…
「~することができた」といいたい時には、その内容によって2つのパターンを意識する。
それは「一般 / 能力」なのか「個別 / 達成」なのか。
「一般 / 能力」 → could / be able to do
「個別 / 達成」 →be able to do
とはいえ、否定文では…
ちょっと面倒くさい(?)couldですが、否定文ではどちらもcouldn’tでOKなんです(笑)
つまり、「試験に落ちた…」→「試験に受かることができなかった」の場合…
ex) I couldn’t pass the exam.
という風に、 ”個別の出来事の達成” のケースにおいてもcouldを使ってOKです。
couldはとて~も奥の深い助動詞。
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