普段の会話において「~が最重要です」とか「~が一番面白い!」などという場面は多々あると思います。
それを英語でいう際に多くの日本人がやってしまいがちなのが「the most +形容詞」で文章を終えるパターンです。
以下は非常に不自然な英文の典型例です。
×)Learning English grammar is the most important.
「英語の文法を学ぶことは極めて重要です」という意味合いだと思われますが、ネイティブにとってはとても不自然な文章です。
結論から言うと、述部の ‘ the most important ‘ の部分がおかしい。
何故でしょう…
「最上級だから ‘the’ 」という安直な丸暗記
上の文章は ‘ the most important ‘ で終わってしまっていることが不適格の理由です。
そもそも、最上級形容詞に ‘the’ が付く理由は、その後に名詞が続くから。
別の言い方をすると、「’the’ は後ろの名詞についているもの」という考え方が正しいのです!
例文で見てみましょう。
ex) Beckham was one of the most popular football players in Britain.
「ベッカムはイギリスで最高のサッカー選手の一人です」
この ‘the most’ の ‘the’ は ‘most’ に付いているのではなく、最後の ‘football players’ に付いているのです!
ex) This is the most reliable information available at this moment.
「現時点でこの情報が一番信用できる」
これも同じ考え方で、’the’ は ‘information’ に付いています。
もう一つ。
ex) This is the most interesting film I have ever seen in quite some time.
「この映画は私が長い間見た中で一番面白い」
この ‘the’ も ‘film’ に付いているのです。
間違っても「最上級の’most’ を使うから ‘the’ を付けて…」ではありません!
つまり、日本人は「最上級があれば何でもかんでも ‘the’ が必要」と機械的に覚えてしまっており、実はそれは後ろの名詞にくっついているもの、という事実など考えもしません。
最上級形容詞の後ろには必ず名詞が必要
ですから、’the’ を付けるのであれば必ずそれに続く名詞が必要なのです!
そこでもう一度冒頭の間違い例文を。
×)Learning English grammar is the most important.
はい、もうお分かりですね。
この文には ‘the most important’ に続く名詞が欠落しているのです。
〇) Learning English grammar is the most important thing.
このように「the 最上級形容詞+名詞」という形であれば問題ありません。
ただし、この例での ‘thing’ は、英文としてはちょっと”ヤボったい”感もあり、あくまでも 「the 最上級形容詞+名詞」 を作るための応急的な処置だということを付け加えておきます。
つまり、上記のような「〇〇は最も重要だ」などと言う際、最上級しか浮かばないと、例文のような問題に直面してしまうのです。
ではどうすればいいか?
はい、そのような場合は素直に最上級以外の方法を模索するのです(笑)
次のような文章が一番素直でしょう。
ex) Learning English grammar is greatly important.
「ものすごく」という意味の副詞を添えてあげればいいのです。
例文での ‘greatly’ の他にも、最上級のニュアンスが出せる ‘enormously’ や ‘tremendously’ など、たくさんの副詞があります。
この「最上級」のお話、↓↓でも詳説していますのでご覧ください!