今回は仮定法の”If ~should~”です。
こちらも以前ご紹介した”were to”と同じで、未来における仮定を言い表す表現方法で、「仮定法未来」と呼ぶことのできるものです。
(「仮定法の”were to”は自由に使える!」参照)
事実とは逆の願望や仮定を表す「仮定法過去」「仮定法過去完了」と違い、まだ事実のない未来における仮定をいうときに使うのがこの”If ~should~”です。
そこまでは”were to”と同じですね。
可能性が低いと感じているとき
では、実際の例で見てみましょう。
ex) If you should need help, don’t hesitate to call me.
「もし助けが必要になったら、遠慮なく連絡してね」
この文章から伝わってくるニュアンスは、「可能性は低いが……」ということです。
同じ未来の仮定を表す“were to”との違いはこの「可能性は低い」というところです。
“were to”は、可能性の高低は問題にしていません。
単純に「もし~だとしたら」という表現方法でしたね。
しかし、この”should”には可能性の低さが見え隠れします。
日本の文法書ではこの表現を「万が一」というキーワードで説明しますが、ネイティヴいわく、このshouldの示す可能性はおおむね10%から30%という数値とのこと。
ですから、「それほど可能性は高くないが、もし起こったら」という解釈でいいと思います。
「直説法」との違い
ここで問題となってくるのが、単なる条件を言う直説法の”If”との違いです。
(「『法』のお話し① – 直説法」参照)
改めて、「仮定法過去」と「仮定法過去完了」も交えて、その違いを比較してみましょう。
ex) If it is fine tomorrow, he will play tennis with me.
*直説法(未来の単なる条件→晴れる可能性はある)
ex) If it were fine today, he would play tennis with me.
*仮定法過去(現実の事実に反する仮想→実際には晴れていない)
ex) If it had been fine yesterday, he would have played tennis with me.
*仮定法過去完了(過去の事実に反する仮想→実際には晴れていなかった)
ex) If it should be fine tomorrow, he would play tennis with me.
*”If ~should~”(未来の予測に反する仮想→晴れる可能性は極めて低い)
4つ目の”If ~should~”の文章のケースは、天気予報などで「明日は台風をともなう大雨」という予報が出ている状況での会話です。
話者のなかでは「晴れるはずはない」という気持ちがあるので、「万が一……」という思いを込めて”If ~should~”を使っています。
起きるか起きないかの予測は出来ないが、話し手は起きる可能性が低いと思っている。
その時の表現が”If ~should~”です。
間違っても、絶対に起こりえない仮定には使えないのでご注意を!