いきなりタイトルに変な(?)英文があって驚いた方も多いと思います。
全文見てみましょう。
ex) My boss insists that you be here early tomorrow.
「上司はキミが明日早く来るように主張している」
多くの方々が、「that節内の”be”ってなんだよ!!」とか「“you are”ではないの!?」と思われると思います。
しかしこれ、全く正しい英文なのです!!
動詞の原型
英語には「特定の動詞の後ろに続くthat節内の動詞は原型(厳密には原型不定詞)になる」というルールがあるのです。
その動詞の一つが、例文の”insist”なのです。
他に代表的なものを挙げると:
suggest / demand / advise / request / order / decide / recommend….
などの後ろに続くthat節内の動詞は原型にするというルールがあります。
ですから”you are”ではなく、”are”の原型である”be”になっているのです。
この成り立ちを説明すると、本来は以下の文章だったのです。
ex) My boss insists that you should be here early tomorrow.
“that”節内をよく見てください……“you should be”になっています。
この文章なら違和感は感じないと思います。
本来はこれが正式な英文なのです!
では、なぜ”should”が省かれるのか……?
先ほど挙げた”suggest”や”insist”などの動詞を使う文には、何かを提案したり、主張したり、要求したり……つまり「すべきだ」というニュアンスがありますよね。
つまり、これらの動詞が持つニュアンスと、助動詞”should”の「すべきだ」という意味が重なるので、その繰り返しを避ける意味で、次第に”should”が省略されるようになりました。
つまり「助動詞+動詞の原型」から「助動詞」だけが無くなって、結果的に「動詞の原型」だけが残ったという経緯です。
ですので、最初の例文の”you be”は正しい英文なのです。
他の例文も確認しましょう:
ex) The doctor suggested that Tom go on a diet.
「医者はTomにダイエットすることを提案した」
これも「”suggested”が過去だから”went”では?」とか、「主語がTomだから三人称単数で”goes”じゃないの?」などなど、意見が飛び交います(笑)
これも本来は以下の文章が正しいものです。
ex) The doctor suggested that Tom should go on a diet.
この場合も”should”が消えて、動詞の原型”go”がそのまま残ったものです。
ちなみに、イギリス英語ではまだまだ”should”をちゃんと使った形が好まれると知り合いのイギリス人は言っています。
しかし、アメリカでは”should”なしのパターンが多いようです。
最近の傾向は……
さらに、最近の傾向としては、”that”節内の主語に合わせて動詞の形を変える人もいるようです。
つまり……
ex) My boss insists that you are here early tomorrow.
ex) The doctor suggested that Tom goes on a diet.
という言い方をする人もいるようですが、あくまでも正式には”should”が必要なんだということは覚えておいてください!!
余談ですが、この動詞の原型を使う用法を、文法用語では「仮定法現在」などと呼んだりもしますが、混乱を招くだけなので特に意識する必要はないと思います。(文法用語に振り回されても意味がないので……)