突然ですが、以下の英文を訳してください。
ex) I’ll be 17 next week.
日本の義務教育で教えられる英語に忠実な人は次のように訳すかもしれません…
「私は来週17歳になる”でしょう”」
「でしょう」?????
自分の年齢の話なのに「でしょう」って…
17歳にならない可能性もあるの?と聞いてしまいたくなるような弱々しさ(笑)
悪しき慣習
‘will’ を見たら「でしょう」「だろう」はもう止めましょう!
これ、日本人英語の本当に悪い癖です。
上の英文を言った人は、現時点で16歳なんです。
来週17歳になるんです。
確実に。
16の次は17なので(笑)
だから ‘will’ を使っているのです!
中学校や高校で「でしょう」とか「だろう」と和訳している先生がいたら要注意です!
‘will’ の核心は「100%必ずする!」
そもそも助動詞 ‘will’ には「でしょう」「だろう」のような推量の意味はありません。
‘will’ の役割は、「これはこれからの話だよ」と伝えることだけです。
つまり「現在から見た未来の話だよ」と伝えるときに使う助動詞です。
だからそれが起こるのは100%確実なのです!
「でしょう」「だろう」のような弱々しい推量とは無縁なのです。
英語で「遺言」のことを名詞で ‘will’ と言います。
「遺言」は亡き人の強い意志ですよね。
そこからも ‘will’ の強さが伺えます。
そもそも ‘will’ は現在形
そもそも ‘will’ は現在形です。
そして、英語には「未来時制」というものはありません。
「現在時制」と「過去時制」はありますよね。
それらを表すには動詞の形を変化させます。
speak → spoke
talk → talked
などですね。
しかし、未来のこと、つまりこれから先のことを言いたい時、それを可能にする動詞の変化というものはありません。
その時に「これはこれからのお話だよ」という意味で ‘will’ や ‘be going to’ を借りてくるのです。
‘will’ の過去形は’would’。
ということは、’will’ は現在形になります。
いくつかの例で確認しましょう。
ex) I’ll be busy on Friday afternoon.
「金曜の午後は忙しいな」
話者は金曜午後は色々とやることがあって間違いなく忙しい、ということが分かっているので ‘will’ です。
これから先の話なので、現在形でいうわけにもいかない…
そこで登場するのが「これから先」を表せる ‘will’ なのです。
ex) You’ll get tired of American food in no time.
「あなたはすぐにアメリカの食べ物に飽きるよ」
この人の中では、誰でもすぐにアメリカの食に飽きるという経験則があるようです。
「確実に飽きる!」と考えている。
だから ‘will’ なのです。
このように ‘will’ には強さがあるのです。
「でしょう」「だろう」は今日で終わりですね!
この ‘will’ と混同されがちなのが ‘be going to’ です。
これら2つには決定的な違いがあります!
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