今回紹介するのは、ネイティブが指摘する日本人の英語誤用No.1に君臨する助動詞”may”です。(ネイティブによっては、あまりに多くてイライラするとまで言う人もいます、笑)
結論から言うと、日本人は「たぶん~でしょう」という意味で”may(be)”を使う傾向があります。
日本語で「たぶん~でしょう」という場合は、その可能性はかなり高めです。
あえて数値で表せば、80%以上は確信・可能性がある時に使う表現ですね。
それをそのまま英語の”may(be)”(もしくは副詞の”maybe”)に置き換えてしまうと、とんでもないことになるのです!
”may(be)”は50%程度
英語の”may(be)”が示す可能性はあくまでも50%程度。
つまり、それが意味する可能性は意外に低いのです。
しいて日本語で表せば「可能性があるかもしれないし、ないかもしれない」とか「かもしれない」というニュアンスがピッタリです。
実際の例文で見てみましょう。
ex) She may be a fashion model or something.
「彼女はファッションモデルか何かかもしれないね」
この発話者の気持ちは「ファッションモデルかもしれないし、じゃないかもしれない……」というどっちつかずの感じです。
あくまでも「その可能性はある」と言っているに過ぎません。
間違っても「”たぶん”ファッションモデルでしょう」と言っているのではありません!
違いが分かりづらいですか?
いえいえ、全然違いますよ!(笑)
たぶん結婚するでしょう?
次の例ならよく分かると思います。
ex) A : Will you marry me?
B : Maybe.
Aが「結婚してください」と言った答えとしてBが”Maybe”と答えます。
みなさんはこれを「たぶん結婚するでしょう」なんて訳しますか?
そんなことを言われたAにとっては「たぶん……」って、どっちやねん!となりますよね(笑)
この”Maybe”は、やはり「可能性はあるけど……」というニュアンスを出しつつ、やんわりと断っているんです。
そのような使われ方もするのです。
以上を見ても、日本人が「たぶん~でしょう」という意味で”may(be)”を使うのが、いかにおかしいかが分かっていただけると思います。
そして、この”may(be)”を使った日常表現で、何かを聞かれて自信がない時に、次のようによく言います。
ex) Maybe, maybe not
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないね」
肯定形と否定形をあえて続けて言うところに、発話者の自信のなさを込めるのです。
では、「たぶん~でしょう」と言いたいときはどうすればいいか?
副詞1語で言いたいときは”probably”あたりになると思います。
助動詞なら「~のはずだ」という意味の”should be”あたりでしょう。
一刻も早く「may(be) = たぶん」病から抜け出してくださいね!(笑)
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