いきなりですが、次の英文法の問題をご覧ください。
問)次の2つの文が同じ意味になるように空欄を埋めなさい
My dad gave this book to me last night.
My dad gave ( )( ) last night.
はい、学校英語の定番問題ですね(笑)
上が「S + V + O」の第3文型。
下の文を完成させると…
My dad gave me this book last night.
「S + V + O + O」の第4文型です。
学校英語では、この2つは「同じ意味」の英文として問題なくやり過ごしてきました。
しかし!
型が違う以上、その意味合いも当然違います。
『新情報』と『旧情報』
皆さんは、英語という言語の特有の考え方である『新情報』と『旧情報』という概念を聞いたことがあるでしょうか?
それは『旧情報』→『新情報』という流れで英文を組み立てる、というものです。
つまり、「古い情報」が先で、「新しい情報」が後に来る、というのが英語の自然な流れです。
これを言い換えれば、「相手が知っていそうなこと(旧情報)」→「相手が知らなそうなこと(新情報)」です。
そして「相手が知らなそうなこと(新情報)」がとりもなおさず「一番言いたいこと」になります。
つまり「一番言いたいこと」が『新情報』で、それを後回しにして際立たせたい…というのが人間心理。
よく考えたら、日本語でも同じ心理が働きますよね。
ここで、もう一度冒頭の書き変え問題を。
My dad gave this book to me last night.
My dad gave ( )( ) last night.
まず、上の第3文型を『旧情報』→『新情報』に当てはめて考えてみましょう。
『旧情報』は “this book”
『新情報』は “me”
結論から言うと「君のお父さんは誰にこの本をあげたの?」という質問に対する返答なら、この文型が選ばれる傾向があります。
つまり、「誰に?」と相手は聞いているのですから、”me” が「相手が知らなそうなこと」、つまり『新情報』になり、それを際立たせたいのですから、それが後ろに来る第3文型が選ばれる、というプロセスです。
では、2つ目の第4文型です。
My dad gave me this book last night.
今度は…
『旧情報』は “me”
『新情報』は “this book”
この場合、「君のお父さんは何を君にくれたの?」という質問に答える際に選ばれる型です。
“this book” を際立たせたいから、つまり「相手の知らない新情報」が “this book” になるからです。
この『新情報』と『旧情報』という概念は、自然な英語を話すためにはとても大切なものです。
この考え方を念頭に様々な英文に触れてください。
だんだんと”自然な英語”が見えてきますから。