ネイティブの日常会話に頻繁に登場する”give out”や”get on”などの表現。
これらは句動詞と呼ばれるもので、”give”や”get”、”take”などの超基本動詞に”on”や”off”などの副詞がくっついた、熟語的な表現です。
難しい動詞よりも句動詞を
例えば、日常的によく使う「延期する」という表現。
1語で表すには”postpone”という動詞がありますが、実際の会話では”postpone”よりも同じ意味の句動詞”put off”の方がよく使われます。
ex) The game has been put off till next week.
「その試合は来週まで延期されました」
日本人は、とかく言いたいことに相当する1語の単語を探そうとしますが、実際のネイティブの会話では、このような基本動詞を使った句動詞の方が多用されます。
目的語の位置は?
この句動詞ですが、目的語の位置に注意が必要です。
例えば“put on”は「(衣服などを)着る」という句動詞ですが、この場合以下の2通りが可能です。
○He put his coat on.
○He put on his coat.
「彼はコートを着た」という英文ですが、目的語の”his coat”の位置に注目してください。
上の例文は動詞”put”と副詞”on”の間にありますが、下は”put on”の後ろに来ています。
もちろん、どちらも同じ意味になり正しい英文です。
つまり、目的語は副詞の前でも後ろでもどちらでも可能です。
目的語が代名詞の時は注意!
ただこの句動詞、目的語が代名詞の場合には注意が必要なのです。
上の2つは、目的語が”his coat”という名詞でした。そのような場合は、副詞の前と後ろのどちらでも可能なのです。
しかし、以下をご覧ください。
○He put it on.
×He put on it.
今回は目的語が代名詞の”it”です。
この場合は、上のように副詞の前しか許されません。
つまり、目的語が代名詞の場合は、動詞と副詞で代名詞をはさんでやらなくてはいけないのです!
他の例を見てみましょう。
ex) A : Have you looked up those words in the dictionary?
「それらの単語の意味を辞書で調べましたか?」
B : Yes, I looked them up last night.
「はい、昨夜調べました」
Aさんの場合は、目的語が”those words”なので”looked up those words”でも”looked those words up”でも構いません。
しかしBさんは、目的語が代名詞”them”なので” looked them up”しか許されません。
ちょっとしたことですが、このような小さなルールも覚えておきたいものですね!