「仮定法」というと、なにやら苦手意識をもっている方も多いのでは?
でも、パターンと“心”を把握してしまえば簡単カンタン!
その“心”それさえ分かってしまえば、もう「仮定法」は怖くありません。あとはパターンを覚えるだけですからね!
現実離れ
その“心”とは……
ずばり「現実離れ」です!
「仮定法」が使われるのは、「~だったらいいなぁ」という、その名の通りの「仮定」をいうときです。
もっと具体的にいうと、現実とは逆の仮定や願望を表したいときに「仮定法」が使われるのです。
ポイントは“現実は違う!”というところです。
現実とは違うから「仮定」なんですよね。
動詞の時制で決まる
では、その「現実離れ」を表すにはどうするのか……?
それにはズバリ、使う動詞の時制をいじってあげるのです。
これこそが「仮定法」のキモです!
で、どう動詞をいじるかというと、その動詞の時制を1つシフトバックさせる、つまり1つ過去へずらしてあげるのです。
(この概念は、英語のキモになり、今後もいろいろな場面で出てきます)
実際に以下3つの文章を見てください。(やっとかいっ!笑)
1) If I have time, I will help you.
2) If I had time, I would help you.
3) If I had had time, I would have helped you.
この3つの文章、全て意味は違います。
そして、この3つのうち、「仮定法」の文章は2つしかありません。
さて、どれとどれでしょう……?
1) If I have time, I will help you.
⇒直説法
2) If I had time, I would help you.
⇒仮定法過去
3) If I had had time, I would have helped you.
⇒仮定法過去完了
はい、「仮定法」は2)と3)のみです。
1)は「仮定法」ではなく、「直説法」と呼ばれる文章です!
(「直説法」については「法」のお話 – 直説法をご覧ください)
1)の文章(直説法)の意味は、単に「時間があれば、お手伝いするよ」といっている文章です。
時間が「あるかもしれない」し「ないかもしれない」んです。
さきほど、「仮定法の文章を作るには、動詞の時制を1つ過去へシフトバックさせてやる」といいましたが、確かに2)の文章は1)に比べて、動詞の”have”が1つ過去へシフトバックして”had”になっていますよね……
これこそが「現実離れ」を表す「仮定法」なのです!
動詞の時制を1つ過去へずらすことにより、「今のお話ではないんだよ」「これはあくまでも仮定のお話だよ」という、まさに「現実離れ」のニュアンスを出しているのです!
ですから2)は「もし時間があれば」と言っており、その裏には「でも実際には時間はない」という含みがあるのです。
これが「仮定法」です!
ですから、”if”があれば全て「仮定法」ということでは決してありません!
“if”が仮定法を決めるのではなく、動詞の時制で仮定法かどうかを判断するのです!
実際の仕組みやパターンはそれぞれ別建てでお話ししますが、まずはこの「現実離れ」という仮定法の“心”をしっかりと押さえてください!