さあ、今回は英語を理解するうえで大切な「法」のお話です。
ちょっと難しそうですが、これが分かればあの難しい「仮定法」もスッキリと理解できます!
(「仮定法 – イントロダクション」参照)
「法」は3種類
まず、英語には以下3つの「法」があり、全ての文章はそのどれかに当てはまります。
■直説法
■仮定法
■命令法
「法」は英語では”mood”といいますが、日本語で「ムード」というと”気持ち”……つまり”心の状態”ですね。
つまり、話し手のどういう気持ち(=心の状態)を表すかによってこの3つの「法」を使い分けるのです。
そして、最大のポイントは、英語ではこの”心の状態”の違いを、その文章で使われている動詞の形で区別するというところです。
ですから、「法」=「動詞の形」ということです。
まず今回はトップバッターの「直説法」から見ていきましょう!
客観的なムード
「直説法」に感情はありません。
ex) I am a student.(私は学生です)
ex) My mother speaks very fast.(私の母はとても早口です)
ex) The news made him sad.(彼はそのニュースで悲しくなった)
これらの文章は、単に事実を客観的に伝えているだけです。
「私は学生」という事実を言っているだけ……
「母が早口」という事実を言っているだけ……
「ニュースで悲しくなった」という事実を言っているだけ……
つまり、話し手は何の感情(=気持ち)も持たずに、実際の事実をたんたんと伝えているだけです。
そして、その時の動詞を見てください!
「今の話」なら現在形で、「過去の話」なら過去形で……
その事実に即した適切な形(時制)で表現されていますよね?
これこそが「直説法」なのです!
つまり客観的事実を、何の気持ちも込めずに、たんたんと述べるときの動詞の形が「直説法」です。
この「直説法」は別名「叙実法(事実を叙述する法)」ということからも、その本質が理解できますよね。
「だから何?」
「なーんだ、要するにただの普通の文章のことじゃん!」
という声が聞こえてきそうですね(笑)
そうなのです!
「直説法」は皆さんが普段何の気なしに使っている表現方法に他なりません。
あえて「直説法」を論じる目的は、「仮定法」の本質を理解するときに、この「直説法」との対比がとても重要になってくるからです。
ということで、次回の「仮定法」をお楽しみに!