形容詞といえば、”a pretty girl”の”pretty”や”a red car”の”red”などのように名詞の前において、その名詞を説明する(=形容する)パターンがまず頭に浮かびますよね。
しかし、英語には“後置形容”という独特の形容の仕方があり、それが読み取れないと文章の意味が全く分からなくなってしまうケースが多々あります。
「形容する」とは言い換えると「修飾する」なので、“後置形容”は“後置修飾”とも呼ばれます。
実はみなさんすでに知っています
実はこの“後置形容”、みなさんにはお馴染みなんです。
以下の文をご覧ください。
ex) He’s the artist who painted this picture.
「彼はこの絵を描いた画家です」
これは関係代名詞”who”を使った文章ですね。
この関係代名詞こそが“後置形容”を代表するものです。
名詞”the artist”について、それがどんな”the artist”なのかを後ろから詳しく説明してますよね?
「この絵を描いた→画家」という具合です。
つまり、関係代名詞を簡潔に説明するならば、「名詞(先行詞)がどんな名詞なのかを後ろから詳しく説明(形容)するもの」ということが出来ます。
もっと分かりやすく、かなり雑に(笑)いうと、「関係代名詞以降の文章は形容詞みたいなもの」と説明すれば理解もしやすくなると思います。
たくさんあります
このほかにも“後置形容”のパターンはいたるところで見られます。
ざっと挙げてみましょう。かならず「あっ、これもそうか!」という発見があると思います。
・名詞+ 形容詞
ex) a lot of rooms available(たくさんの空室)
ex) Would you like something cold?(何か冷たいものはいかが?)
・of + 抽象名詞
ex) a man of character(人格者)
ex) a man of few words(口数の少ない人)
・to不定詞の形容詞用法
ex) I have a lot of things to do today.(今日はやることがたくさんある)
ex) You have no right to say such a thing.(きみにそんなことを言う権利はない)
・分詞
ex) his wife standing over there(あそこに立っている彼の奥様)
ex) the people concerned(関わっている人々)
・同格のthat
ex) I have a feeling that my dream will come true.(夢がかなう気分です)
ex) Do you know the fact that he is from America, not England?
(彼がアメリカではなくイギリス出身だという事実を知っている)
以上ざっとあげましたが、どれも名詞を後ろから詳しく説明(形容)してますよね?
英語を理解するにはこの“後置形容”が欠かせません。
思い切って言えば、普通に「形容詞+名詞」のパターンよりも、この“後置形容”のほうが多いかもしれません。
英語は“Right branching language”と言われており、文字通り「右へ伸びていく言語」です。
まさに、右へ右へとさまざまな形で説明が追加されていくのが特徴ですね。
この考え方を知っているだけで、英語がグッと理解できると思いますよ!