さあ、「法」のお話し②は、いよいよ「仮定法」です!
まず、前提として……
英語の「法」には3種類あって、それぞれ話し手の込める”気持ち(=ムード)”が違うんでしたね。
■直説法
■仮定法
■命令法
英語の文章は、必ずこの3つのどれかに当てはまり、動詞の形を変えてそれが何法なのかを区別するんでしたよね。
つまり、「法」=「動詞の形」でした。
で、そのうちの1つである「直説法」は、何の気持ちも込めない“客観的なムード”でした。
(「『法』のお話し① – 直説法」参照)
主観的なムード
では、今回の「仮定法」は?というと……
ズバリ、“主観的なムード”です!!
実際の文章を見てみましょう。
ex) I wish I were a bird.(僕が鳥だったらなぁ)
ex) If I had time, I would help you.(もし時間がればなぁ……)
1つ目の文章は、実際には「鳥ではない」ですよね?
2つ目の文章は、実際には「時間はない」んです。
これらの文は、事実を踏まえて、それとは逆の主観が入った願望・仮定を表現しています。
正に“主観的なムード”です!
この時の動詞の形に注目してください。
1つ目は”were”で、2つ目は”had”になっています。
つまり、動詞の過去形ですよね?
意味としては「今、鳥だったらなぁ」「今、時間があれば」と、”今現在”の話をしているのに……
英語では、事実に反する主観的な願望や仮定を表す時には、動詞の時制が1つ過去へシフトバックする、というルールがあります。
その動詞の形を「仮定法」と呼ぶのです。
ちなみに、こちらも「直説法」同様に別名があり、「叙想法(仮想を叙述する法)」と言います。
現実離れ
以前、「仮定法 – イントロダクション」でちょっと触れていますが、「仮定法」のキモは”現実離れ”です。
”現在からの時の隔たり”、つまり「今は違う」ということを表すために動詞を過去形にする……それが「仮定法」です。
現在形のままだと、事実に即した言い方になってしまい、「直説法」になってしまいますよね。
つまり、「現実離れ」だから「過去形」
これが「仮定法」の気持ちです!!
(「仮定法」の実際の作り方やパターンは仮定法過去と仮定法過去完了をご覧ください)