以前、英語は時制にとても厳しいというお話をしました。
(「英語は時制に厳しい! – 英語特有の時制の一致」参照)
英語には実に12種類の時制表現があり(!)、ネイティブはそれを使い分けているのですね。
その中でも、それらすべての原点となる「現在形」の本質を、「進行形」と対比しながら見てみましょう。
何気なく使ってしまう「現在形」の見方がきっと変わるはずですよ!
「進行形」のイメージは“一時的”
まず「そのお城は丘の上に建っている」の英訳として適切なのは次のうちどちらでしょう?
○ The castle stands on the hill.
× The castle is standing on the hill.
はい、もう答えが出ていますが(笑)、正しいのは1つ目の「現在形」の英文です。
2つ目の「現在進行形」の英文ですが、こちらは日本人がよく犯してしまいがちな間違いで、日本語の「建っている」の「いる」につられて、「現在進行形」にしてしまうのです。
もちろん「彼は今走っている」なら……
ex) He is running now.
のように「現在進行形」で全く問題ありません。
そもそも「進行形」という時制の本質は“一時的に進行中”です!
つまり「~している真っ最中」ということです。
英語で書かれた文法書にもズバリ”ongoing and temporary”(真っ最中で一時的)と書いてあります。
ですから” The castle is standing on the hill.”にしてしまうと、「そのお城は丘の上に“一時的に”建っている」という何とも奇妙な状況になってしまうのです。
もちろん、何かのイベントなどで一時的にハリボテ的なものを建てて、すぐに取り壊す……という特殊な状況の時は「進行形」でも構いませんが……(笑)。
とにかく「進行形」を使うときは、この“一時的”というコアイメージを大切にしてください。
昨日も、今日も、明日も……
これと違い「現在形」は“昨日も、今日も、明日もすっと”というのが本質です。
ですから、普通お城は“昨日も、今日も、明日もずっと“丘の上に建っているはずですから”The castle stands on the hill.”としなくてはいけません。
日本語のニュアンスにとらわれてはいけないということですね。
人に「お仕事はなんですか?」と聞くときの決まり文句も以下のようになりますよね。
ex) What do you do?
「お仕事は何をしているのですか?」
基本的に仕事は“昨日も、今日も、明日もずっと“同じことをするのが前提なので「現在形」で聞くのが普通です。
「進行形」の“一時的”、「現在形」の“昨日も、今日も、明日もずっと“……
それぞれのイメージを大切に!