会話に使える!英文法

「英会話に文法はいらない」は完全な間違い!実用的な英文法の知識をどんどん紹介します。

雑学

”herstory”という単語知ってますか? – PC運動

 

みなさんは「PC運動」というものをご存知でしょうか?

「PC運動」とは”Political Correctness”の略で、80年代ごろから声高に言われ始めたフェミニズム運動から生まれた言葉です。

それは、人種の違い、障害者、性の違いなどを理由に差別されているさまざまな人たちを不快にさせる言葉を排除しようという動きのことです。

「スチュワーデス」はもう古い?

その中でも代表的なもので、私たち日本人にも完全に定着した感のある言葉の一つに”cabin attendant”「キャビン・アテンダント」があります。
(もしくは”flight attendant”

その昔は、女性は”stewardess”「スチュワーデス」、男性は”steward”「スチュワード」なんて呼んでいましたが、もはや死語に近いですね(笑)

そして、最近では女性のあらゆる分野への進出が著しいですが、さまざまな重要会議などでの議長として女性が堂々と鎮座している光景も珍しくありませんよね。

そんな「議長」、一昔前は”chairman”でしたが、今では”chair(person)”です。

深刻な人種差別

性差別以上に深刻な側面を持つ人種問題にも、言葉の変化が見て取れます。

昔は黒人のことを”colored people”や”Negroes”と呼んでいました。

しかしそれらは差別用語になり、今は”black””African-American”などと呼びます。

さらにアメリカ先住民のことは”Native American”と呼んだりします。

ついに「歴史」が変わった?

ところで、みなさんは”herstory”という言葉をご存知ですか?

スペルをよーくご覧ください……“her”と”story”から成っていますね……

もちろんこれもPC運動の産物ですよ……

はい、もうお分かりですね!

「歴史」は”history”ですが、それは”his”と”story”から成っています。

そこでフェミニストが「歴史は男だけが造ってきたわけじゃない!」……といったかどうかは定かではありませんが(笑)、「男のストーリー」があるなら”her”と”story”で「女のストーリー」があってもいいでしょ!という具合です。

まだ”herstory”が「歴史」として辞書に掲載されるほどの市民権を得たわけではないようですが、そう遠くない将来、普通に使われているかもしれませんね!

恐ろしや、フェミニスト(笑)

スポンサーリンク

-雑学

執筆者:

関連記事

山手線の英語アナウンスの間違い – “the”や”and”の使い方が学べる!

私が(勝手に)師と仰ぐ日本在住の英語学者であるT.D.ミントン氏の書籍日本人の英語表現は、日本人が勘違いしている文法事項に鋭いメスを入れている名著です。 扱っている内容的にはちょっと高度な話も多いです …

第3文型?第4文型? – 『新情報』と『旧情報』の考え方

  いきなりですが、次の英文法の問題をご覧ください。 問)次の2つの文が同じ意味になるように空欄を埋めなさい My dad gave this book to me last night.My dad …

必読!おすすめ英文法書籍を一挙ご紹介

このブログの各記事内でもいくつかのおすすめ英文法書をご紹介していますが、「まとめて教えて欲しい!」というリクエストをいくつか頂きましたので、ここで一気にまとめてご紹介します! あくまでも筆者の独断と偏 …

あなたのネイティブ先生、大丈夫ですか? – ”ネイティブ信仰”を斬る!

いきなりですが、みなさんにお聞きします。 もし皆さんが来日したばかりの外国人で、「誰かに正しい日本語を習いたい」と思っているとします。 その時、「日本人なら誰でも日本語を話せるので、誰もいいから教えて …

すぐに使える表現集 – Part 1

  「すぐに使える表現集」ということで、日常においてよく使われ、覚えればすぐに使える表現を、筆者の独断と偏見で(?)徒然なるままに列挙します! 今回はその第一弾。 では、さっそく参りましょう …