いままでいくつかの「助動詞 + have p.p.」というパターンを見てきました。
(以下参照ください)
”should have p.p.”には2つの意味
”may (might) have p.p.”の使い方
”could have p.p.”の使い方
そのどれもが基本的に2つの意味を持っているのでしたね。
・過去の推量
・仮定法
今回の”can’t (couldn’t) have p.p.”も2つの意味を押さえましょう!
「~だったはずはない」
まずは過去の推量としての使い方です。
ex) He can’t have said such a thing.
「彼がそんなこと言ったはずがないよ」
助動詞”can”の基本的な意味は「~の可能性がある」です。
それが否定”can’t”になると「~の可能性はない」→「~のはずはない」になります。
例えば……
ex) It can’t be true.
「ウソだろ!」
「本当のはずはない」→「ウソだろ!」となります。
ということは「本当だったはずはない」という過去にしたい時は”can’t”を”couldn’t”にして”It couldn’t be true.”にすればいいんだ!……というわけにはいきません。
「~だったはずはない」という過去の強い推量はあくまでも”can’t (couldn’t) have p.p.”というふうに完了形にしなくてはいけません。
もう一つ例文を;
ex) Tom couldn’t have done the burglary because he wasn’t here in Japan.
「トムが盗みに入ったはずはないよ。だってその当時彼は日本にいなかったんだから」
主観と客観で使い分け
ところで、知り合いのネイティブ(イギリス人)は”can’t have p.p.”と”couldn’t have p.p.”では、「主観」と「客観」で使い分けると言います。
前出の2つの例文を使って説明します。
ex) He can’t have said such a thing.
“can’t”を使った方が話し手の「主観」が入っており、「彼がそんなこと言ったはずないでしょ?」という個人の意見や思いが反映されると言います。
逆に”couldn’t”を使った方はあくまでも「客観」で、そう考えるのに十分な証拠や材料があるケースで使うらしいのです。
ex) Tom couldn’t have done the burglary because he wasn’t here in Japan.
「彼が日本にいなかった」という客観的事実があるから”couldn’t”を使うということです。
いずれにしても、どちらを使っても「~だったはずはない」という意味は同じです。
ちなみに、この表現の反対は以前ご紹介した”must have p.p.”「~だったにちがいない」ですね。
(「”must have p.p.”は過去における断定」参照)
仮定法でも頻出です
もう一つの使い方は仮定法です。
これもよく使うのでぜひ押さえたい使い方です。
ex)I couldn’t have done it without you.
「あなたがいなかったらそれをすることは出来なかったでしょう」
まさに“仮定法過去完了”の帰結節のパターンと一致しますよね。
(「過去における仮定・後悔は仮定法過去完了!」参照)
特に”If”がなくても、この文章を見たらすぐに仮定法を感じ取らなくてはいけません!
(「実際の会話では“If節”なんて言わない(?)- 仮定法」参照)
この文章でのポイントは”without you”の部分です。
ここに”If you hadn’t helped me”などが込められているのですね。
つまり「あなたが助けてくれなければ」→「あなたがいなかったら」という具合です。
上記の例文は、その1文で決まり文句として覚えた方がいいと思いますよ!
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