先日、教え子の大学生が以下の英文を書きました。
X I have visited to Tokyo twice.
「東京へ2度行ったことがあります」という文章です。
今までの経験を語る際の現在完了をちゃんと適正に使っている点は素晴らしいのですが……
残念ながら、この英文には決定的な間違えが一つあります。
みなさん分かりますか?
日本語に惑わされないで!
これは日本人が犯しがちなよくある間違いの一つです。
動詞”visit”は他動詞なので、すぐ後ろに目的語を置きます。
つまり、以下が正解の英文です。
ex) I have visited Tokyo twice.
日本語発想で英文を作ると、「~へ」につられて前置詞の”to”を付けてしまいがち。
この類の他動詞はたくさんありますね。
discuss / marry / enter / approach / attend / resemble / oppose / reach etc…
一つ例にとると、「~に”ついて”話し合う」ということで、”discuss about”にしてしまいがちですが、”discussも”れっきとした他動詞なのでaboutは要りません。
使おうとしている動詞がどのような使われ方をするのかを常に意識しなくてはいけないのですね。
品詞が変われば……
しかし、その大学生に以上の話をしたところ、「いや、”visit to”というのを見たことがある!」と主張するのです。
辞書で”visit”が他動詞であることを示しながら説明したのですが、彼は譲りません……
「いやいや、だから”visit”は他動詞で……」
……そこで、私は「はっ」と気づきました……「”visit”には名詞もあったな」と……
そうです、”visit”には動詞のみならず、名詞もあるのです。
そして、名詞として使う場合には「~へ」に”to”を使う必要が出てくるのです!
つまり、以下のような英文になるのです。
ex) This is my first visit to London.
この文章においての”visit”は動詞ではなく名詞として機能していますね。
彼はこのような英文をどこかで見ていたのですね。(素晴らしい!)
この名詞用法と動詞として使うべきケースを混同してしまい、冒頭のような英文が出来上がってしまったのです。
基本単語を使い尽くせ!
以上の例からも分かるように、一つの単語にはいくつかの品詞があり、それを自在に使い分けることが出来れば、確実に表現のバリエーションが増えるのです。
もう一つ例を挙げましょう。
みなさんもよくご存知の”attempt”には動詞と名詞があります。
動詞の場合は後ろにto doを取る他動詞で、”attempt to do”になり「doするのを試みる」という使い方をします。
この他動詞用法は日本人の方にも割と浸透しているようですが、名詞として使いこなせる人はあまりいないのではないでしょうか?
例えば、「おまえあれやった?」と聞かれた際の返答として”I attempted…”と”attempt”を動詞として使ってしまうと、その後ろに具体的な行動を”to do”で示す必要があります。
しかし、特に「何をやった」という部分を言わないで「やってみたよ!」とだけ言いたい場合は……
ex) I made an attempt!
と言えば済むわけです。
つまり”attempt”を名詞として使ってやれば、特に「何を」の部分をいう必要がなくなるわけです。
その際にはコロケーション(今回の場合は”make”)も考えなくてはいけませんが、このような「基本動詞+名詞」のバリエーションのストックを増やすとより自然な英語になるという観点からも、非常に大切な論点です。
以前にも↓↓「動詞の名詞化」というタイトルでとても有用な記事を書いていますので是非ご覧ください!