会話に使える!英文法

「英会話に文法はいらない」は完全な間違い!実用的な英文法の知識をどんどん紹介します。

紛らわしい表現

「~まで」”till”と”by”の使い分け

 

今回は「~まで」という表現を勉強します。

まず以下2つの日本語の文章を見てください。

「ここで8時まで彼を待っているね」
「8時まで戻ってきます」

さぁ、両方とも「~まで」が使われています。

厳密な使い分けが必要

ただ、それぞれ意味するところは違います。

1つめの「ここで8時まで彼を待っているね」というのを英語にすると……

ex)I’ll wait for him here till eight.

です。

この文章で「~まで」を表すのは前置詞の”till”です。
(もちろん”until”もOKです)

ここでよく間違えやすいのが、同じ「~まで」を意味する前置詞の”by”との使い分け。

日本語では2つとも「~まで」ですが、英語ではニュアンス・使い方がまるで違うので注意が必要です。

日本人がよく間違えるので、試験問題でよく狙われるくらいです。

今度は”by”を使った例として……

ex) I’ll be back by eight.

を使って解説します。

この”by eight”の部分も、日本語にすると「8時まで」という意味になります。

「8時まで戻ってきます」

という意味です。

ex) I’ll wait for him here till eight.
ex) I’ll be back by eight.

ともに「8時まで」……

結局、同じじゃん!!

いえ、違います!!(笑)

“till”は継続、”by”は締切り

ex) I’ll wait for him here till eight.

の方の意味するところは、あくまでも「8時までずっと」というものです。

継続的に「~までずっと」です。

一方、

ex) I’ll be back by eight.

の方は「8時までに」という意味です。

あくまでも「~までに」ですね。

つまり”by”の方は“締めきり”的なニュアンスです。

いかがでしょう?

“till”は「~までずっと」
“by”は「~までに」

です。

2つは明らかに使い分けが必要です!

ちなみに、2つをそれぞれ入れ換えてみると……

× I’ll wait for him here by eight.
「8時までにここで彼を待っています」(???)

× I’ll be back till eight.
「8時までずっと戻ってきます」(???)

という感じで、すごく不自然な文章になってしまいます。

他の例文で違いをもっと明確にしましょう。

ex) Stay here until Friday.
「金曜までここにいなさい」

ex) Finish this task by Friday.
「金曜日までにこの課題を終わらせなさい」

いかがですか?

日本語では同じ「~まで」で処理できてしまいますが、英語では厳密に使い分けなくてはいけません。

スポンサーリンク

-紛らわしい表現

執筆者:

関連記事

「ほとんどの車」は”almost cars”ではありません! – “almost”の誤用にご注意を

  日頃の会話で、「ほとんどの男性は」とか「ほとんどの車は」など、「ほとんど」という表現をよく使うと思います。 これを英語にしようとした時に、日本人がやりがちなのが”almost + 名詞 …

現在完了と過去形、ちゃんと使い分けてますか?②

日本人にとって苦手な完了時制。 いくつかある完了時制の中でも、実際の会話において使う頻度が一番高いのが現在完了です。 その現在完了…… 「現在形との違いがはっきりしない……」 「過去形との区別が微妙… …

“would”と”used to”を的確に使い分ける!

今回はリクエストの多かった”would”と”used to”の比較をやってみたいと思います。 この2つを混同して、使い分けできていない人も多いようです。 …

仮定法帰結節(主節)のwould / could / mightの使い分け

仮定法のポイントは、そこで使われる動詞の形がどうなっているか?です。 ・if節の中が過去形 →仮定法過去・if節の中が過去完了形 →仮定法過去完了 でも、気を付けなくてはいけないのは、if節の中だけで …

‘at first’ は「まず最初に」ではありません!

順を追って何かを説明するときなどに「まず最初に…」という表現をすることがよくあると思います。 英語でそれをやろうとするときに ‘at first’ を使ってしまう方いませんか? …