「ついに~、ようやく、とうとう」という時に”at last”を使う日本人は多いと思います。
しかし、”at last”はどんな時にも使える万能選手ではありません!
同じ意味を持つ”finally”と比較しながら、正しい使用法を見てみましょう。
“at last”は「いいこと」が起きた時のみ
まず大前提として“at last”は「いいこと」が起きた時にしか使えません!
ですから以下のように「彼はナンシーとついに別れたよ」という文章では使えません。
X At last he has broken up with Nancy.
ロングマン英英辞典で”at last”の定義を見てみましょう。
use this when something good happens after you have waited for it for a long time
「長い間待ち続けていた何か嬉しいことが起きた時に使う」
このように、”at last”の用法を明快に定義しています。
同辞典には例文として以下の文章を挙げています。
ex) We reached the summit at last.
「ついに頂上に着きました」
ex) I’m really glad that Ken’s found a job at last.
「ケンがついに仕事を見つけてとても嬉しいです」
どれも「いいこと・嬉しいこと」が成就した時ですよね。
気持ち的に「やっと!」という語感です。
ですから、冒頭の文章での使用は不自然になってしまいます。
X At last he has broken up with Nancy.
(もし、彼がナンシーと別れたがっていたとしたら、この文章も成り立ちますが…)
もう一つ悪い例を。
ex) At last, we lost by the same 2-0.
「やっと、同じ2対0のまま(試合に)負けた」???
これでは、「そんなに試合に負けたかったの?」となってしまいます…。
さらに、試合に負けることは嬉しいことではないという点でも、ここでの”at last”の使用はおかしい。
この場合は…
ex) In the end, we lost by the same 2-0.
「結局(最終的には)、同じ2対0のまま(試合に)負けた」
などになります。
迷ったら”finally”。ただし…
今度は”finally”の定義を見てみましょう。
after a long time
はい、シンプルです(笑)
こちらは「良い結果」「悪い結果」のどちらにも使えますので、迷ったら”finally”を使えば間違えありません。
ただし、”finally”は「(長く待ったのち・頑張ったのち)ようやく」というニュアンスを包含しますので注意も必要です。
再びロングマンの例文を見てみましょう。
ex) The plane finally arrived at 6:30.
「飛行機は6時30分にようやく到着した」
ex) After a lot of questioning, James finally admitted he had taken the car.
「長い尋問の後、ついにジェームスは車を奪ったことを認めた」
ちなみに、この”finally”は、”in the end”や”eventually”に置き換えられます。
ということで、基本的な使い分けとして、”at last”は「いいこと」のみ、迷ったらどちらでも使える”finally”でほぼ問題はないと思います!